私は瞑想が大好きです。瞑想は特別なことではなく、日常生活に還元されてこそ意義があります。
ここでは、瞑想を実践することで実際に起きる影響や効果について説明します。
まず、人の意識の状態については以下の4つに分類できます。
1.活動(起きている)状態
仕事や家事、学校、子供の世話、エクササイズなど、日常生活をしているときです。代謝は活発です。意識はあります。
2.夢を見ている状態
睡眠状態から数時間後におきます。
脳が活発に動いていますが、身体は休んでいます。代謝も落ちています。意識がある時とない時があります。
3.睡眠状態
寝ているときです。身体が休んでいて、起きているときより代謝は落ちています。
意識はありません。
4.瞑想状態
身体は睡眠より深い休息を得て、一番効率の良い状態です。感覚は起きている時より敏感です。
代謝は著しく低下しています。そして何より意識があります。
この4つの意識状態は、全ての人が必ず持っている機能です。
瞑想状態の時は、気がついてなくとも代謝がものすごく落ちます。
この代謝の低下が大切なのです。代謝が低下すると、身体は休息状態に入ります。
・ストレスの発散
・脳の整理整頓
・細胞の活性化
・免疫力の向上
・内臓の休息
・感覚が研ぎ澄まされる
などの、私たちが健康に生きるための条件が満たされていきます。
病気になると寝込むのは、代謝を落とすことで身体を休め、細胞の活性化を図り健康を回復させているのです。
そして、この瞑想状態の時にマインドが直接「空」の経験をしています。
「空」とは想念の源。無、無限、静寂、神、源、大いなる自己、絶対、純粋意識とも呼ばれています。空の経験は、私たちの全てに大きな変化をもたらします。
しかし、瞑想状態の機能は、使っていない人がほとんどです。
毎日の瞑想はこの意識状態になるための練習です。日常的にこれを繰り返すことで、他の3つの状態(活動・レム睡眠・睡眠)も質が向上していきます。
ですが、瞑想と言っても、ただ座って目を閉じているだけでは、瞑想状態にはなかなかなりません。
そのための瞑想方法をきちんと身に付ける事が大切です。
様々な方法がありますが、私が教えている瞑想は、最初からマインドが直接「空」の経験をして、深い瞑想状態に導く方法です。
一般的には、無や静寂といったイメージがあると思いますが、
・寝ているようなウトウトする感覚
・イライラや落ち着かない感じ
・超気持ちいい!
・頭の中のお喋りが止まらない、雑念だらけ
・感情が湧きあがってくる
・離れて眺めている感じ
・身体がグラグラ揺れたり動いたり
・周りの音が鮮明にすぐ近くに聞こえる
など、実は「これで本当に瞑想できてるの?」と心配になるくらいバラエティ豊かです。
このような経験は、代謝の低下がある証拠であり、意識があるから気がつけます。
瞑想は身体や精神に影響し、日常生活に様々な効果をもたらします。
その中でも特に重要で代表的なものについて説明します。これは瞑想で得られる効果のほんの一部です。
ストレスは、心や身体だけでなく、人間関係・日常生活など、多岐にわたって私たちの全てに影響を与えます。
ストレスがエネルギーの流れを滞らせるのなら、それを流し解消するのが瞑想です。
瞑想中は、ストレスのように、現在蓄積しているものだけが解消されるだけではありません。潜在意識の中やDNAに刻み込まれた過去の記憶、カルマといったものも解消されます。その影響で執着心もどんどんなくなり切り替え上手になります。
・生活習慣の改善
ストレスが蓄積すると、その影響で代謝が落ちにくくなります。眠っても疲れが取れず、身体は休息できません。起きている間の代謝も上がらないので、日中もボーっとした状態で、効率も悪くミスも多くなります。休みたくても休まらない、悪循環の中にいます。
瞑想を取り入れると、代謝の上下があるため生活にメリハリがつきます。起きているときの意識も、よりはっきりと目覚めていて元気ハツラツ。活動の効率も良く、注意力もあり、睡眠中は通常の睡眠よりも深く眠れるので疲れもしっかり取れます。
・アンチエイジング効果
ストレスは老化の進行を早めます。もちろん生まれた瞬間から私たちは老化していくのですが、ストレスは私たちの全てに必要以上に負荷をかけます。これも瞑想の時間を取ると、短時間で睡眠以上に深い休息を得られるので気分も良くなり老化現象も必要最低限となります。ストレスも減ります。
代謝の低下によって細胞の変化が活発になることで、自然治癒力も高まり、アンチエイジング効果も高くなります。
瞑想は、多忙な現代人に不可欠な、効率のいい十分な休息といえます。
マインドの動きも大きく変わっていきます。
マインドは通常は横にしか動いていません。横というのは、現在、過去、未来。
過去に起きてしまったことを心配したり、わからない未来を不安がったり、通常はそのように動いています。
それが瞑想を習うと、初めて上下に動くことを学びます。今まで横移動をしていた部分はほんの表面で、もっと広がりがあったのだと学びます。
これはちょうど海に例えられます。今までは海の表面に漂っていたのが、初めて潜りを習って、海の深くに入っていくことができるようになった、という感じです。
だから思考の幅が大きくなり、アイデアが豊富になります。
理解力も洞察力にも深みが増し、決まり切った枠の中から抜けていきます。
瞑想を続けていくと、自然と自分のことを俯瞰できるようになります。
そして些細なことも含めて、いろいろな気づきがあります(内観)。
それは今まで気がつかなかったことがわかるようになるということです。
気づきは、今まで自分が隠していた感情や、無意識の内にそうなっていた、というようなことにも目が向いてきます。
こうして物事を洞察する力、理解する力が高まっていきます。
この気づきがとても大切です。悟りも啓発も「気づくこと」なしにはあり得ません。私たちは実際すでにその状態なのですが、気がついていないだけです。
瞑想を続けると、洞察力、理解力が強くなります。
それに伴い、何事においても柔軟に対処できるようになり、変化にも順応できるようになります。この2つは、大きく変化している今の時代に求められる力です。また意識の発達段階においても、とても重要な機能です。
もともと私たちは意識です。起きている時、私たちは意識があります。
寝ている時は意識がありません。
それが毎回の瞑想によって意識の目がだんだん覚めてくるのです(だから目覚めと言う)。
そしてある時、もうその目が閉じなくなります。それを「悟り・啓発」と言います。
やっと目が覚めた「悟り・啓発」は拡大する高い意識の始まりにすぎません。(お相撲で例えるなら、幕内力士になった感じかな。なのでまだ先があります。)
それらは、宇宙意識、神意識、統一意識、ブラフマン意識、そしてここからアセンションへ向けてクリシュナ意識へと変容していきます。
この意識を発達させる方法として、大昔から瞑想が使われているのです。瞑想はいろいろな宗教でも使われているテクニックであって、宗教ではありません。
この意識の発達に伴い、真実がわかってきたり、感覚が研ぎ澄まされたり、類まれな才能を発揮したりします。意識の発達は無限大。生きている限りずっと、発達する意識と日常の統合が進み、心身ともに平安、幸福、愛、自由、豊かさ、可能性が広がります。
私が教える瞑想はマントラと呼ばれる言霊を使い、初心者でも初めての瞑想から深い瞑想状態に入り、直接「空」を経験することができます。
マントラはそれだけでは単なる言葉にすぎません。
きちんとトレーニングを受けた人から瞑想を習うことで、スピリチュアルパワーをチャージしたマントラを受け取れます。
息吹が吹き込まれ、生命力にあふれた生きたマントラです。
生きたマントラだから、最初の瞑想からマインドが空の経験をすることになります。そして、代謝に大きな変化が現われて、私たちの全てに影響を与えることができるのです。
この瞑想は、大きな2つの伝統の流れから来ています。
ひとつは、聖なる伝統のマスターたち(The Masters of Holy Tradition)。
私の先生であるボブ ・フィックスは昔はTM瞑想の先生でしたが、数十年前に独立しました。そのため、グルデフ(スワミ・ブラフマナンダ・サラスヴァティ)、マハリシ・マヘーシュ・ヨギの瞑想の流れを汲んでいます。
※英語版ですが、伝統のマスターの系譜が書かれています、興味ある方はこちらをどうぞ。
もうひとつは、やはりヒマラヤの伝統であるマハ・アバター・ババジ。ババジはクリヤヨガを教えたパラマハンサ・ヨガナンダの書いた『あるヨギの自叙伝』にも出てくる有名な偉大なマスターです。
この2つの流れを持つ教えは、カウンシル・オブ・ライト瞑想、フルフィルメント 瞑想、エターナル ラブ 瞑想と名前が変遷しています。私はこの教えしか知らないので、自分が教える瞑想を単に【瞑想】と呼んでいます。この伝統の中にあるからマントラにスピリチュアルパワーをチャージできるのです。